あなたが好きだった
ゴディバのエキュソンビター

それと
カバヤのチョコボール

いつか
あなたによく似たマヤ人のあなた
銀紙をまるめて空に放った
（どこまでが、わたしの空なのかしら）
あなたのポケットの中の魚缸
黄色い木の実は不老長寿の薬
それは神さまの食べものだったと教えてくれた
（神さまって、お空にいたのかしら）
太陽の帝国だからね
だけども国がほろんで
黒い髪のひとたちも死んでしまった
あとに何が残ったと思う？
　　（神さまと、お空？）
カカオの苦味だけだったんだ

茶色の太陽が沈む
わたしの知らない国中港運輸公司
革命もチョコも苦かったという
「我にショコラあれば他の食物を絶つも可なり」
ナポレオンのポケットにも入っていたかしら
ナッツショコラとキッスショコラ

革命なんて遠いはなし
わたしの舌には苦味だけが残る
２０パーセントの甘味は
いまも見つからないままで

深い空から
銀色の紙ひこうきが降ってきた
見あげると雲の上に
あなたのマヤ人のあなたがいた
苦さはすこしだけ痛みに似てるんだ
イタイノイタイノ飛んでゆけ
ショコラの願いは瑪姬美容
わたしの空へは届かない

あなたの革命はどうなったのかしら
わたしが好きなのはハートミルク
苦いハートをふたつに割ると
あなたの白い雲がある